ポンコツ香港雑記

2016年9月から香港中文大学に交換留学している大学生の日記

初の英語面接、玉砕の巻

初授業。9:30からだがもうヘロヘロで教室へ。授業はいくら面白そうでもやはり疲れる。キッコーマンをキ↑ッコーメェンと言われて一瞬何かわからなかった。

その後インターンの面接へ。予想通り英語だったのだが、英語以外にも自分の能力のなさから何からメンタルに大ダメージを喰らう。伝われ…と念じて言葉を紡いだが絶望し、辛気臭い顔を晒しながらスーツでセントラルを歩く…職につける気がしない…日本に帰るまであと半年、何か身につけないと…そのためにはインターン…と無限ループ。なけなしの学歴を除いた自分に何が残るのかを考えだすと非常に辛い。自分の人柄や有能さが仮にあるとして、それをどう証明するのか。日本企業就活のあれこれって言葉の綾みたいなところが大きい気がする。アピール力というのか、一つのことでも求められている切り口でその都度切り出し、完結具体的に伝えるということ。切り口上手になろう。

ともかく今回はベンチャーだったので日本の典型的就活とは全く異なり即戦力重視だろうし、あまり深く捉えないでいこうと言い聞かせた。

今は先輩が留学先から帰りたくないと言っていたのが本当によくわかる。土地や友人が好きというポジティブな理由もあるだろうが、日本という現実が重すぎる…

centralのエスカレーター添いにあるカフェcupping roomで手早くモカとアーモンドクロワッサンをとる。おいしいパンは久しぶり…

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一息ついたところで商工会に移動しお手伝い。香港の食生活と日本企業の関わりで興味深かった。

一時帰国

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日本、スキー場に来たかというくらいの寒さ。こんな寒さが日常なんて信じられないし、ストレスを減らすため早急に香港に移住すべきだと思った。

建物も低く、暗い。タイの夜景に似ている。一戸建が並ぶなんて贅沢だなぁと考えてしまうようになった。日本は小さいとか狭いとかなんとなく思っていたけれど、余裕はまだまだある!?

横浜の夜景が見えた時はグッときた。

お腹ぺこぺこで家に着いたが何も食べ物がなく、ホットワインを飲んでつまむことに。

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食べたかったラーメン、焼き鳥、生魚、鰻を食べて大満足。鳥貴族最高。

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あとプリンにまんじゅうも。久々に会った友達もそうと思えないくらいすぐ馴染んで、居心地がよかった。あと温泉は最高すぎる。露天風呂でひとり、これが現実なのか否か混乱していた。羽毛布団とふかふかのベッドも極楽だったなぁ。うつぶせになっても腕が痛くない…暖かい…安心感が違う……

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実家に帰省という行為が初めてなので、実家を客観視するのも初めて。犬のお出迎えに始まり、生活感なくただの屋根裏部屋と化した自室とガチャガチャマシーン(カプセルトイ)、廊下で伸びすぎて天井にぶつかっている幸福の木など、改めて見ると不思議なものだ。

両親は二人暮らしを楽しんでいるようだが、会話の噛み合わなさが少し先の壮年夫婦(あるいは老年)を予見させるようで年を感じる。

日本に一度帰ってしまったら香港に戻れないのではないかと思ったけれど、いざ香港の空港に着くと流れ込む広東語に安心する自分がいた。やはり、ワクワクしてしまう。

新しいルームメイトが来た

昼までねまきでゴロゴロしていたら突如扉が開き、心の準備が全くできていなかったからたまげた。ここ半年で一番心臓に悪い出来事だったといっても過言ではない。

ルームメイトは韓国人で、かなり明るく陽気なタイプだった。ここで会う韓国人は人懐こく世話好きな子が多い。

ルームメイト、来た日から鼻歌まじりで荷物解体している。普通緊張してどぎまぎしたりするもんじゃないのか、不思議だ。そして独り言が多い。まだふとした拍子に韓国語がでたり、英語の表現に時間がかかったりするのも初々しい。

風呂上がりにはストレッチバンドと顔の歪み矯正アイテム2つをしていて驚いた。意識の高さがいかにも韓国人だ。

キャンパスにも新しい留学生がたくさんおり、目を輝かせて話している。わたしだってたった4ヶ月程度しか過ごしていないのに、早くも新入生を見る二年生のような気持ちになった。そろそろ新学期が始まってしまう。

異国で困ること暫定1位「デジタルトラブル」

起きたらスマホがappleIDを頻繁に求めてくる、だけでなく、LINE、Twitter、messengerなどあらゆるアプリが毎回IDとパスを求めてくるように…ハードワークに耐えかねたスマホの予告なきストだ。困った。

ほとんどのアプリは入れるのだがLINEは2段階認証で、パスをSMSに送っているらしいのだが届かない。入れない…

Eメールもパスを要求してくるが思い当たるものどれを入れてもダメ。

Wi-Fiもいつものものに突然入れなくなったし、何がおきているのだ!

必死にググりつつ対処。アップデートすることでだいたいは解決できたがLINEとキャリアメールは使えないままで、問い合わせたところキャリアメールからでないと解決できないらしく、キャリアメールが死んでいる私にはどうすることもできない。

LINEは複数スマホから1アカウントを使えない。私はSIMフリースマホ用に香港で別アカウントを持っていたためまだ取り急ぎの連絡はできた。

LINEは個人と1端末、1アカウントの結びつきが強すぎるのだ。犯罪防止のためなのだろうがもう少しクラウド化してほしい。messengerのほうがよほど便利だと今回の一件で痛感した。

シェアが高いから使い続けるしかないのだけれどもLINEには懲り懲り。

香港で年越し

思い立って年賀状を描き始める。紅白の実況が友達から伝わってくる。今までは紅白はついているから見る程度のものだったけれど、いざ見れないとなると気になってしまう。あと部屋が寒く暖房をつけたらゴスンと音がしたきり動かなくなってしまった。暖かい部屋か紅白か蕎麦(香港、うどんはどこにでもあるが蕎麦はない)どれか一つでいいからわけてほしいという切実な気持ち。

ニューイヤー花火を見るべく9時半に大学を出て10時過ぎに尖沙咀に着いたが、ここからが戦いだった。事前情報でハーバーシティのマルコポーロホテル駐車場が良いとのことだったのだが、改札を出た時点で誘導が始まっている。いくつかの出口は封鎖され、地上も歩行者天国ではあるが柵でほうぼうの道がふさがれていた。人々もどこが封鎖されているかわからないため目的地に行けず彷徨っており、結果さらなる混乱を招いているように見えた。警官が見張っていない柵の隙間を無理やり通ってほっとしたのもつかの間、地下道が封鎖されていたため九龍公園徑という太い道路の向こう側に行けない。ここでなんとも図太いのだが、柵を乗り越えて道を渡りました。すると後ろからたくさん人が付いてきて、ポリスも大わらわで怒鳴っていた。ポリスは怖かったが渡りきったのでよし…廣東道に来て、もうホテルは目の前というところで人波が怒涛の逆流。ポリスの指示らしく、海側に行こうとすると怒られる。仕方なくモールに入り、移動。

だがいざホテルの前につくと、ホテルマンがキーをチェックしており宿泊者しか入れない。せっかくここまでサバイバルゲームのように必死にやってきたのに、無念。結局流れでハーバーシティのフェリー埠頭側入り口横の海辺になんとかついた。あとからその道も封鎖されていたので入れてよかったと安堵。こうしてどんどん封鎖されていくようだ。

有名な夜景はここからでもよく見える。山の上からごく稀にチラチラと花火が吹き出し、始まったかと期待させてくるのだが練習らしい。待つこと1時間、日付の変わるほんの3秒前からカウントダウンで上がりだした!写真とるやらざわめくやらであたりはわけのわからないことになっていたが、変わった瞬間はオオーッとどよめいてテンションがあがる。

花火は本当にハーバーの中心部でしかあがらないので、私たちのいた場所からはあまりよく見えなかった。

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上から見るかビクトリアハーバーに近づくかしたほうが良い。

日本では一時間前に3,2,1と数えて年が明けているのだと思うと不思議な感覚だ。結局暦の数がひとつ増えるだけで、世界は何も変わらないというのに。時差で誕生日の消滅した錦織選手くらいしか人間の取り決めた時間軸を秒単位で気にする必要はないだろう…

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10分ほどで花火はあっさりと終了。お腹空いたけれど日本の初詣とは異なり露店はないしチェーン店も近くにないので駅へ向かう。中秋節の花火に遭遇して電車への乗り方をマスターしておいてよかった。ここでもひとが混乱している。

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おうちでしっぽり過ごさない初めてのお祭り気分な年越し、なかなかよかった。

BLT BURGER @尖沙咀

日本へのお土産を買いに尖沙咀へ来た。ハーバーシティーにはあらゆるブランドショップが入っていてセールしている。お目当てのものは見つからず断念。

偶然以前から気になっていたBLT BURGERを発見して入る。店の雰囲気はいい感じ。

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ただ注文したものが待っても待っても出てこない。香港のバーガーショップはだいたい前注文で5分と経たず出てくるのだが、ここは席で注文してから40分経っても出てこない。席会計にしているから余計に行ったり来たりが増えて回転が遅い。

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バーガー、ドリンク、ポテトに10%チャージで174ドル。高い。

バーガーのボリューム充分、ミートパティはミディアムレアくらいで私好み。生玉ねぎが主張してくる。ポテトは結構多い。ピクルスはあまり好きでないので一口しか食べなかった…とにかく待たされたわりに高いせいでやりきれない。あと生玉ねぎとピクルスが得意でないのが評価点を下げる。うーん、肉は美味しいけど総合すると微妙。

駅で粉ミルクの広告を駅などでやたら見るなと思ったら、本土中国の人に中国産でない安全な粉ミルクの需要がとてもあるらしい。どうりで深圳イミグレに「粉ミルクの規定量以上の持ち込みは罰金!!」て書いてあったのか。普通アルコールとかタバコなのに変だと思った。

初深圳

大學からそう遠くない(5駅)のに今まで行ったことのなかった、深圳へ行く。予備知識がほとんどないまま特攻。

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改札出てすぐ出国、そしてそのまま歩いて入国だ。学生ビザがあるので出国時には香港居民レーンで行ける。入国は紙を書かないとだめみたい。

初めて本土中国に上陸!

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駅前は広い通りとホテル、そして罗湖商业城 がある。視界を遮るビルがない!全体的に大造りというのか、道が広く、ハコも大きくザックリがらんとしている。近隣の案内板がないのでどこに何があるのかさっぱりわからない。

お腹が空いたので商業城に入って店を探すがレストラン街なるものはない。商業城は旺角の(ニセ)モノを中野の店に並べたみたいなローカル感であまり買い物する気にはなれず…キャッチの人がエスカレーター乗る直前まで迫ってくる。

建物をでて向かい側にレストランの看板が見えたので行ってみる。チェーン店のようだがおいしそうなので入った。油生菜がおいしい。

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どこにどう行こうか調べようと思ったが、Wi-Fiも繋がらないうえに、繋がってもGoogleが使えないので何もできない!百度を出すのにブラウザ開いてもGoogle検索されてしまうし…この時点で香港帰りたさが募る。

中国民俗村みたいなところに行こうと決め、駅にやたらいる警備等のスタッフに友人が尋ね、あとは記憶を頼りになんとか電車に乗る。

駅にも民俗村の案内はないので、また係員に尋ね、歩くこと15分、入口にたどり着いた。

入場料は180元と物価からするとなかなかの値段。ここは中国各地の著名建造物をミニチュアで再現するエリアと、少数民族の生活を紹介するエリアで構成されている。

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中心には舞台?があって曲技が披露されていた。

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背景がさすがという感じである。その近くにはレストランやレトロ調なお土産物屋が連なり、テーマパークの様相だ。

そこからミニチュアエリアをまわる。

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駅から15分近く歩いたが、この敷地の外側を歩かされていたらしい。敷地があまりにも広く、ミニチュアもそこらじゅうにあるのでキリがない。

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それでもほとんど見られたと思う。ものによってクオリティは様々なのだが、中には霧のでる山や、ボートの動く水辺などがあった。

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少数民族エリアではたまにパフォーマンスがあったり、メリーゴーランドがあったり、よりテーマパーク感があった。

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一番気になったのはUSJの進撃のパチモンがおもむろに現れたこと…

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どこの家にもトウモロコシとトウガラシが干してあった。どうでもいいけど今書きながらどちらも”唐”であることに気づいた(もちろん中国ではこの呼び方はしない)

少数民族ゾーン、中にはどうみてもインドな金飾りをつけた象のいる場所や、南米のようなトーテムポールと骨飾りの場所があって真偽のほどが気になる。

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新疆はイスラムの影響をうけた建築が多いようなので、それも見てみたい。

歩き回って疲れたので休憩して、罗湖 へ戻り、モールらしき場所に行く途中で見つけた桂林麺の店に入る。安い!刀削面15元(200円くらい?)、餃子19元で15個くらいある。まろやかな酢をかけてガツガツ食べた。

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本土中国の仕事はなかなかにスローだ。香港が急ぎすぎなのだと言えばそうかもしれない。

こちら香港て書いてあるのは少し不思議。ヨーロッパでは普通なんだろうけど。

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帰りはスムーズであまり待つこともなく越境、電車へ。イミグレを越え、見慣れたチェーン店が現れた瞬間、どっと安心感が押し寄せた。壁広告の騒がしさ、店のごちゃごちゃした様子、天井の低いMTR、香港のそんなものが今や自分にとってとても馴染み深いものになっていたと気づく。

これで私は香港、台湾、マカオ、本土中国を訪れたことになる。ひとくちに中華圏と言ってもそれぞれの違いはかなり大きい。その上で香港の特殊性をあげるならば、やはり一番外向きであるというところだろう。情報や物流の面で開けているのはもちろんのこと、対外アピールや交流への姿勢が企業や国に留まらず個々人まで前向きで、貪欲である。