ポンコツ香港雑記

2016年9月から香港中文大学に交換留学している大学生の日記

ボヤ騒ぎ

朝、凄まじいサイレンで目を覚ました。火災警報らしい。部屋も心なしか煙臭い。慌てて部屋を飛び出すと他の人もねまきのまま廊下をウロウロしている。年末だが思ったより人が残っていたことが判明した。GFに降りると人が集まっている。サイレンは鳴りっぱなし、耳がおかしくなりそうだ。10分は鳴っていただろうか。ローカルの友達曰く食堂で出火したらしい。3年前にも同様に食堂で出火したらしい。

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そんなこんなで慌ただしい朝だったが、今日はこっちで初めてできた友達とのお別れなのだ。朝食を件の食堂で一緒に食べ、部屋に行ってパッキングを眺める。モノがトランクに収まっていくのを見ていると、本当にいなくなってしまうのだという実感がわく。

夜は社会人の方と鍋。香港の日本人はそれなりの年になって駐在しているかこっちで企業して会社を回している人がほとんどなのでいい生活をしていてうらやましい限りだ。

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話をしていて思ったのは香港には美術館が少ないということ。そういったものの取引額は世界でも有数らしいのだが、一般人が美術を見に行くという習慣はない。セントラルのあたりにはアトリエもあるのだが、前衛的だったりして敷居が高く感じる。

その中のお一人が副業でアトリエスペース貸しをしていた。アート好きが忘れられず始めたそう。絵画を置くというよりは、音楽も含め人が集まれる場所を作りたいという理念があるという。これは将来の理想の一つになった。わたしも絵を描いたり見るのが好きなのだが、その専門家になるのは今の時点では難しそうだ。だがスペース貸しとしてであれば自分の色を出しつつアートと関わることができる。

またお話していて納得したのは、香港は格差が先進国最大だというデータがあるということ。高層ビル群からなる金融都市イメージに覆い隠されているものの、そのすぐ裏には途上国のような一面がある。そのギャップが興味深くもあるのだが、低賃金重労働の危ういバランスの上に成り立っている社会であり、取りこぼされている人の数とその度合いは軽視してはならない。