ルーミーと最後の1日
ルーミーは必死にパッキングしている。モノがなくなっていく行程を見ていると徐々に実感が湧いてくる。ずっと暮らしていけそうに思えたけれど、最終的にスーツケースとバックパックに収まってしまう程度の根ざし方だったんだなと感じたり。私は手持ち無沙汰でアニメを見ていた。
昨日会ったルーミーの”いつメン”たちに「最終日はどうするの?」と次々聞かれ、そのたび「この子と過ごすの」とルーミーが答えるのを見て、わたしなんかがこんな大事な時間をもらっていいのだろうかと不安になった。素直に一番に選んでもらえたことを喜ぶべきなのだろうけれど…自分では唯一無二に仲良いと思っているけれどルーミーの他の人からの愛され方に引け目を感じてしまう。可愛い奥さんを持った冴えない旦那みたいになっている。
ルーミーが見つけてくれたifcモールのバーガーショップ”BIG FERNAND"へ赴く。
二人で出かけるといつもバーガーを食べることになっている。キッチンから肉のいい匂い。オーソドックスなベーコンバーガーに飲み物をつけて120ドル程度。肉は焼き具合が選べるのでわたしはレアに。
運ばれてきたバーガーは既に紙に包まれ、皿はなく直接銀のアルミトレーに乗せられている。飲み物も缶から紙コップに自分で入れて飲むのだ。お店のつくりはオシャレなのに、これでは給食や学食みたいだ。椅子も座りにくいし、ファストフードを前面に押し出したいみたいだけれど、値が張るわりにこれはどうなんだろうと思ったり…
そしてバーガーのお味はというと…バンズが柔らかいのと、炒めたオニオンソースが甘すぎる…
ルーミーも、味はイマイチと言っていた。
ハンバーガーならなんでも美味しいと思っていたけれど、かなり高いお金を払っているので厳しくもなってしまう。
今日はローグワンの公開日だったので仮装した人が見られた。バーガーショップでも前に帝国軍のヘッドを持った人が座っていた。
セントラルにクリスマスツリーがあるので見に行った。チャイナバンクの建物の近くということ意外何も知らずに行ったのだが大きなツリーなのですぐ見つかった。
ちょうど8時のハーバーショーの時間だったのでチャイナバンクのギザギザのライトが全然つかない!それでは意味がないので、ショーの終わりまで待ってから撮影。まわりも一眼を持って三脚を立てたガチ勢がたくさんいた。
今日は木曜日、ということでフリードリンク目当てにLKFへ向かう。しかしルーミー行きつけの店がフリードリンクでなかったので、別のバンドが生演奏しているバーに入った。おしゃれなバーに入るのはいまだに気おくれしてしまう。早く社会人になってバーに入ってもカッコつけてると思われないようになりたい。
シャンパンとビールで乾杯したところで、ルーミーからサプライズプレゼントが!「面白がらせるだけのものとマトモなもの」と言われてまずは帝国軍のお面!ディズニーランドではしゃいでいたのを見て露店で買ったらしい。目が光る仕様なのがさすが中国製。
まともなプレゼントは、料理本!わたしがいつも自炊しているのを見ていてくれたようだ。中華系アメリカ人の本なので中華素材を使いつつオシャレにアレンジしてある。
というところでわたしもプレゼントのアルバムを渡した。読みながら涙を抑えていたのを見て、私までこみ上げてしまった。
実感のないまま寮へ帰る。またお面をつけて遊び、机にかけた。
明日は9時に大學駅を出るという。最後の夜の実感はないまま眠る…