中秋快樂!
中秋節のランタンフェスティバルを見に維多利亞公園(ビクトリアパーク)へ。その近くで大坑火龍(ドラゴンダンス)も開催されるので、授業も早々に天后(tin hau)に向かう。乗換の九龍塘駅構内は人身事故後の駅みたいにぎゅうぎゅう詰め。しかし現地のひとは家族でご飯を食べる風習があるため郊外に向かう電車のほうが更に混んでいた。
6時過ぎに着き、駅前の路面店で以前から食べてみたかった雞蛋仔(egg puff)と海老のつみれを食す。温かいエッグパフ、ベビーカステラみたいだけどサクサクとフワフワのコンビネーションがたまらない!
道行く子供は着飾って、手にキャラクターのビニール製ランタンをさげている。ポケモンが多い。光るカチューシャをしている大人もいる。お祭り気分が高まってきた。
夏にイルミネーションを見ることは日本だとあまりないので不思議な感覚だ。イルミネーションのきらびやかな光と提灯のやわらかい光があわさってそこだけ都心に現れた異空間となっている。
伝統的な蓮の花の提灯は本当に幻想的。
香港の名所とおとぎ話のコラボ。本から飛び出したというコンセプトで、ポップな動物や人間のランタンとモダンな洋書がうまく組み合わさっている。キャラクターのデフォルメがキュート、特にカメの走り方!
絶妙にゆるい動物!かわいい
ここでも屋台で食べ物を売っている。
きなこと胡麻の餅、その場で餅を入れて切って詰めてくれるの、温かく日本の餅よりやわらかくておいしい!
今回は買わなかったけど雞仔餅ってどんな味なんだろう。
これだけで大満足なのだが、国の無形文化遺産にも登録されているという大坑火龍を見に移動。
格子状の一区画を、藁に太い線香を刺してできた龍が練り歩くのだ。太鼓の音が聞こえるほうに近づくと、出待ちのように群がる人々が。視線の先を見ると…おもむろに目の前からやってきた!先頭はデコレーションされた太鼓の台車、そのまわりにたんぽぽの綿毛のような球状の線香の棒を回す人、そして龍の頭。
狭い路地をめいっぱい左右に揺れながら進んでいく。観客の頭に火の粉が散る。熱い!龍の胴体は10mは優にあるだろう、延々と続いていく。
あっという間の出来事だった。音の遠ざかるなか、路地は煙に満たされ、地面には振り払われた線香が散乱している。
メインの通りに移動すると人が溢れていた。龍に線香を刺し直し、運営スタッフが記念撮影をしていた。
このイベントのための組織があるらしい。龍を持って歩くのは大変そうで、意気揚々と出て行った若者も一周すると真顔になって交代していた。
熱気と煙と太鼓の響きに圧倒されつつ、公園を出るとすぐ白々しく光るショッピングモールとビルで現実に引き戻される。日本の祭りのような去り際の風情はないけれど、街の一角でまだまだ夜まで続く熱狂を思った。