ポンコツ香港雑記

2016年9月から香港中文大学に交換留学している大学生の日記

号泣ルームメイト

買い物から部屋に帰ってきたらルームメイトが泣いていた。何事かと話を聞くと、鍵を持たずに部屋を出て、その後私が施錠して外出したため入れなくなって大変だったらしい。オフィスに行ったが人はおらず、呼んで部屋の番号を言っても何故か名簿に自分の名前が無くて開けられないと言われ、そこで思わず泣いたら入れてもらえたと言う。

うーん、はたちも過ぎた人間が、部屋に入れたにも関わらず泣き続けるものか…!?と思わなくもないが、きっと予期せぬ事態にパニックになったのと、来てまだ数週間、気張っていたのがこれをきっかけに崩壊したのだろう。本人は繰り返し理由をI'm just tiredと言っていたが、そういうことだろう。

来た時からやたら元気でテンション高かったので燃え尽きないか心配だったのだが、躁鬱のように上下激しいタイプかもしれない…。

夕飯はもともとカレーを作る予定だったので、彼女に一緒に食べようと持ちかけて食べた。同じ釜の飯ってやつ。ご飯を共にすることには力があると思う。

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香港の河津桜

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商工会の仕事の一貫で銅鑼灣にある日本人墓地の桜に乾肥をやりに行った。

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天気が抜群に良く、丘を登ると汗だくになってTシャツ1枚で良かったと思うほど。今年は暖冬らしいが、一番寒いのはいつ?ときくとだいたい「あと1回くらい寒くなるよ」と言われる。寒さって回数で数えるものだっけと思うが、確かにこれまでもいきなり寒くなっては暖まるのを繰り返している。

大学の上からの眺めもすっきりしていた。

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鼻水がとまらなくなって薬を買った。香港の薬はパッケージがとてもレトロでかわいい。よく創業者だか開発者の顔が描いてある。私が友達に勧められて買ったのは、なんだか強そうな薬。中はひとつひとつ小包装で、一錠の直径1.5センチくらいある。大きい……

きのこの山、非対称なカサに憤る酔っ払いは私だ

きのこの山のカサは9割がた、かなりひどく歪んでいる。

鋳型の水平が傾くわけもないし、二層のチョコの境目はカサの筋と垂直に交わっている(写真で見えるだろうか)から、勢いよく柄を差した弾みでチョコが偏りそのまま固まっていることになる。

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いままできのこの歪みは柄の傾きだと思い込んでいたけれど、よく見ると柄は正しくほぼ垂直(=カサの筋と並行)に刺さっている。Meijiは改良してシンメトリーきのこを作る意欲がないのだろうか。

こんな中途半端でダサいままだからたけのこに負けるんだ。


そのくせ、公式キャラクターのきの山とかいうヤツが「妥協を許さない性格」とか言っていたのでますます不信感が増した。

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http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/kinotake/characters/

最近の自炊事情

野菜をドカッと買ってきて、それをこねくりまわしている。

先日ごま油を入手してからQOLが急上昇した。自炊して油の使い分けの偉大さを学んでいる。日本ではあまり使われないけれど、ピーナッツ油は香ばしくて香辛料の強いものやお菓子に向いているので結構好き。

冷蔵庫に入れるとなんでも凍るせいで豆腐が凍り、解凍したらすが入って湯葉になった”海苔巻き豆腐”。

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さむいさむいっと帰ってきてすする蕎麦は最高ですね。私の好きなきのこ、おろしと餅。

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就職祝いと太子のバー

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友達の就職祝いディナー。City Uの学生がよく行くという石硤尾の中華のお店へ。チョコレートドリンクが有名と言われるがままオーダーしたらスタバ的クリームたっぷりのココアが出てきた。これと中華の取り合わせは…うーん。なぜこれをメニューに加えたのか気になる。

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そこから移動して太子のバーへ。太子はバーがたくさんあるのだが、あまり調べて行ったことはないので開拓したい。

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他にも二人中文の子がいたのだが、途中で帰ってしまった。中文の留学生は全体的におとなしいというか、ポンポン反応が返ってきて話の進む人があまりいない。内輪で慎ましく何かしている感じ…。

残ったメンバーでよく飲んで話した。

キメ顔写真文化考察

違和感がひとつスッキリ。誰だって写真には綺麗に写りたいと思うけど、韓国の子の写真のこだわり方は他と違うと思っていた。基本的に写真で「楽しい雰囲気を伝える」ことはあまり意識していなくて、彼らの目指す良い写真とは(SNSを意識した)「その場にいた証拠+自分の綺麗な顔」なのだ。

ルームメイトがクラブに行って撮った写真を見せてきて「わたし、かわいく写ってる?」と聞いてきた。その写真はヨーロッパ系の友達二人に挟まれてヘーイみたいな写真で、人は膝まで入っているためとりわけ顔が大きく写っているわけではない。パッと見て仲間と楽しんでいることの伝わるいい写真だった。他の二人は大きく笑っており、本人もキメ顔で微笑んでいて顔が歪んでいるとかいうわけでもない。わたしには当初何が問題なのかわからなかった。彼女いわく、写真全体はいいから自分の顔が気になるらしい。んんん、拡大でもしない限りわからないと思う、それ以前に写真に写るとそもそもオーラや表情が別人…

楽しい場だったイェーイな写真ではダメで、完璧な顔の自分がいなければならないようだ。そして、留学でヨーロッパ系と一緒にクラブにいたという証拠になる。

韓国人留学生の他の人の写真なども見ていて抱いていた違和感がようやくわかった。どの写真でもその場の雰囲気関係なしに最上級キメ顔の自分が写っているのだ。パンケーキを前にふんわり微笑むとか、熱中して食べて頬を膨らませ目を細めているとか、そういうのは(少なくともSNSに上げるには)アウトのようだ。

暮らし方とこだわり・女子力について考察

様々な韓国の留学生を見たが、メイクや服装へのこだわりとセンスの良し悪し、洗練のされ方は別問題だと感じる。

彼らの「良い見た目になりたい」願望は他者の視線あってのものだ。友達との関係やその延長であるSNS上の自己表現のため、特定の理想像に自分を近づける。素敵な暮らしをして自分の心をときめかせるためというよりは、その憧れに憧れている状態に見える。

そのことが顕著に表れるのが彼らの自室だ。何人かの韓国留学生の自室を見たが、彼らの表にでないところはあまりこだわりがないようだ。今のルームメイトはクラブで踊るのが好き、バレエを習い始めた、などかっこいいキラキライケイケ(?)系を目指す子なのだが、ベッドカバーはむきだしの茶色いキルティング、シーツもIKEAに行ったにも関わらず紺の縞々。寝巻きは謎の熊柄。他の韓国留学生の部屋も行ってみたが似たような感じだった。正直ダサいというか、あれだけ服などには気を使って憧れの像があるのに、そんな生活でいいのか!という感じ。自分好みの気分があがるアイテムで素敵な生活をしようというわけではないようだ。

以前のオランダ人ルームメイトもキラキラ系女子だったが、机のボードに地図や自分の好きなピンク色に統一感をもたせたポストカードを貼ったり、寝具は小花柄だったり、隅々まで自分のこだわりを通していた。

自分の好きを知ってこだわりを通すということは、意外と難しいことなのかもしれない。どのような雰囲気にしたいかイメージを掴み、それに合うものを入手するという一連の行為には手間がかかる。

さて日本人はというと、様々なアイテムがあり情報も入る環境なので自分の好きの方向性を知っている人は多く、実現性も高い。自分も日本人だから贔屓目かもしれないが、憧れとリアルの距離はかなり近く感じる。

(韓国ドラマの一般家庭設定の家と実際の一般家庭なんて、全く別物だし!)

ただ、ここに「女子力」という壁が立ちはだかっているような気がする。こだわりのある、憧れの生活をしたいとして、全てが完璧でなければ全くないのと同じという考え方だ。何か身の回りのことにこだわっていると「女子力がある」と総括され、それが例え趣味としての服、ネイル、料理などほんの一分野だったとしても、他のことまで生活全て「女子力」が行き渡っているべきだという風潮があるように思う。

手先が器用だからという理由でセルフネイルをしていても、「女子力を向上させる目的」に集約され、それ自体が好きでやっているという理由がすりかえられてしまう。そして女子力があるなら、料理できないと、綺麗な服を着ないと、かわいい雑貨を持っていないと変だ、と自らを束縛してしまう。

このように自分のこだわりを自分の思うように通す過程で壁がありプレッシャーになっているのではないか。